ハザードマップにかかっている家は買わない方がいい?家を買う前に知っておきたい災害リスクの考え方
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家を探していると、物件の価格や間取り、立地などと一緒に気になるのが⚡「災害リスク」⚡ではないでしょうか。
特に近年は、大雨による河川の氾濫や浸水、土砂災害などが全国各地で発生しており、住宅購入前にハザードマップを確認する方も増えています。
一方で、ハザードマップを見て、
🤔「色が付いている場所は避けた方がいいの?」
😨「色が付いていなければ安心?」
と迷うこともあるでしょう。
ハザードマップは、これから長く暮らす場所を選ぶうえで大切な情報のひとつです。
ただし、「色が付いている=危険」「色が付いていない=安全」と単純に判断できるものではありません。
大切なのは、ハザードマップに示されている情報の意味を知り、現地の状況なども確認したうえで、自分たち家族にとって納得できる場所かどうかを考えることです。
今回は、これから家を購入しようとしている方に向けて、ハザードマップの基本的な見方から、実際の家選びでどのように活用すればよいのかまで分かりやすくご紹介します。
1.「ハザードマップにかかっている場所は絶対イヤ!」実際にあった住宅購入相談
2.そもそもハザードマップって何?家を買うなら何を見ればいい?
3.「色がある=危険」「色がない=安全」ではありません
4.地図だけでは分からない!気になる物件は「現地」まで見てみよう
5.気に入った家がハザード区域だったら、買わない方がいい?
6.ハザードマップは一度見たら終わりではない
7.契約のときにも説明される?不動産取引とハザードマップ
8.2028年から住宅ローン控除にも影響。「災害レッドゾーン」って何?
9.「中古住宅だから関係ない」とも言い切れない理由
10.ハザードリスクが分かったら「購入後の備え」まで考えよう
11.家を買う前にこれだけは確認!ハザードマップチェックリスト
12.まとめ|ハザードマップは「物件を落とすため」ではなく「納得して選ぶため」に
大切なのは「危険か安全か」の二択にしないこと
ハザードマップ+現地+最新情報で判断しよう
知ったうえで選ぶことが、後悔しない家選びにつながる
1.「ハザードマップにかかっている場所は絶対イヤ!」実際にあった住宅購入相談
住宅探しのお手伝いをしていると、お客様からさまざまな希望条件をお聞きします。
その中で、実際にお客様からいただいたことがあるのが、
「ハザードマップにかかっている場所は絶対イヤ!」
というご希望です。
マイホームは、この先何年、何十年と暮らしていく場所です。
できるだけ災害リスクの少ない場所を選びたいと考えるのは当然ですし、「ハザード区域を避けたい」ということ自体も、住宅選びの大切な条件のひとつです。
ただ、このとき担当した営業スタッフからお客様にご提案したのが、
ハザードマップに色が付いているかどうかだけで候補をすべて外してしまうのではなく、その内容まで確認してから判断してみませんか? ということでした。
📹short解説📹ハザードマップとは?
「色が付いていたら候補から外す」は正解?
ハザードマップを開いてみて、購入を検討している場所に色が付いていると、どうしても不安になります。
しかし、同じように色が付いている場所でも、想定されている災害の種類や程度はそれぞれ異なります。
洪水による浸水が想定されているのか、土砂災害のリスクがあるのか、津波による浸水が想定されているのか。
まずは、「色が付いている」ではなく、「何が、どの程度想定されている場所なのか」まで確認することが大切です。
反対に、ハザードマップに色が付いていなければ、災害リスクがまったくないとも言い切れません。
そのため、「色が付いているから候補から外す」「色がないから安心」と、色だけで住宅購入を判断してしまうのは少しもったいないかもしれません。
ハザードマップは【物件を落とすための地図】ではない
ハザードマップは、危険な物件を選別するための地図ではありません。
その地域にどのような災害リスクが想定されているのかを知り、災害が起きた場合にどう避難するのか、どのような備えが必要なのかを考えるための大切な情報です。
住宅購入でも考え方は同じです。
「この場所はダメ」と判断するためだけに使うのではなく、その土地の特徴や災害リスクを知ったうえで、自分たちが安心して暮らしていける場所なのかを考えるために活用する。
これが、家を選ぶときのハザードマップとの上手な付き合い方ではないでしょうか。
2.そもそもハザードマップって何?家を買うなら何を見ればいい?
「家を買う前にハザードマップを確認した方がいい」と聞いたことはあっても、実際に何を確認すればよいのか分からない方もいるでしょう。
ハザードマップとは、自然災害が発生した場合に被害が想定される区域や、避難場所などの情報を地図上に示したものです。
災害が起こる可能性を事前に知り、避難や日頃の備えに役立てることを目的として作られています。
住宅購入では、これから暮らそうとしている場所にどのような災害リスクが想定されているのかを知るための重要な情報になります。
ハザードマップで分かること・分からないこと
ハザードマップを見ることで、洪水や土砂災害、津波などについて、被害が想定されている区域を確認できます。
また、マップによっては想定される浸水の深さや避難場所なども確認できます。
一方で、ハザードマップは「この場所で必ず災害が起きる」「この場所なら絶対に災害が起きない」と予測するものではありません。
あくまでも一定の条件のもとで想定された災害リスクを示したものです。
そのため住宅購入では、ハザードマップを安全・危険を判定する答えとして見るのではなく、家選びに必要な情報のひとつとして見ることがポイントです。
洪水・内水・土砂・津波……まずは災害の種類を知ろう
ハザードマップとひとことで言っても、確認できる災害はひとつではありません。
代表的なものには、
- 河川の氾濫による「洪水」、
- 大雨で排水が追いつかないことなどによって発生する「内水」、
- がけ崩れや土石流などの「土砂災害」、
- 地震によって発生する「津波」、
- 台風などに伴う「高潮」
があります。
家を探すときは、ひとつのハザードマップを確認して終わりにするのではなく、その地域で想定されている災害を複数の視点から確認してみましょう。
たとえば「洪水の色は付いていなかったけれど、土砂災害警戒区域に該当していた」ということも考えられます。
「重ねるハザードマップ」「おおいたマップ」で気になるエリアをまとめてチェック
これから住宅を探す方に便利なのが、国土交通省の🔗ハザードマップポータルサイト🔗です。
その中の🔗重ねるハザードマップ🔗では、洪水・土砂災害・高潮・津波などの情報を地図上に重ねて表示できるため、気になるエリアにどのような災害リスクがあるのかを広く確認できます。
まだ具体的な物件が決まっておらず、
「この辺りで家を探したい」
という段階でも、エリアを比較するための参考に見比べてみるのもおすすめです。
購入候補が決まったら自治体の最新情報も確認
具体的に購入を検討したい物件が見つかったら、国のハザードマップだけでなく、都道府県や市区町村が公表している情報も確認しましょう。
自治体では地域ごとのハザードマップや防災情報、避難場所などが公開されています。
大分市では、🔗おおいたマップ🔗というウェブサービスが公開されています。
「各種ハザードマップ」から「総合ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」「洪水ハザードマップ」「津波ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」がそれぞれ確認でき、
さらに「総合ハザードマップ」では、大分市の地図の上に「避難場所・避難所等」「防災関連施設・設備等」「災害時市民開放井戸」「標高」など、必要な情報を選んで表示させることができます。
気を付けたいのが、ハザード情報は一度作られたらずっと同じというものではないこと。調査やデータの更新などによって内容が見直されることもあります。
「以前確認したことがあるから大丈夫」ではなく、住宅を購入するときには最新の情報を確認することが大切です。
3.「色がある=危険」「色がない=安全」ではありません
ハザードマップを見るときに、つい最初に目が行ってしまうのが地図上の「色」です。
購入を検討している家の場所に色が付いていると、
「ここは危ない場所なのかな?」
と感じてしまいますよね。
しかし、住宅購入でハザードマップを見るときは、色の有無だけではなく、その色が何を意味しているのかまで確認する必要があります。
色より先に「何のリスク?」を確認しよう
まず確認したいのが、その場所で何の災害が想定されているのかです。
洪水なのか、内水なのか、土砂災害なのか、津波なのか?
災害の種類が違えば、想定される被害も、必要な備えも変わります。
たとえば河川から離れているから水害の心配はないと思っていても、大雨によって排水が追いつかず、内水による浸水が想定されている地域もあります。
反対に、地図上では広い範囲に色が付いていても、その中で想定される被害の程度には違いがあります。
「色があるか」だけを見るのではなく、何の災害について、どのような想定がされているのかを読むことがハザードマップを見る第一歩です。
洪水なら「浸水するか」だけでなく「何mか」まで見る
洪水ハザードマップでは、浸水が想定される区域だけでなく、想定される浸水の深さが色分けされている場合があります。
そのため「洪水浸水想定区域に入っている」という事実だけでなく、どの程度の浸水が想定されているのかまで確認しましょう。
同じ洪水浸水想定区域でも、想定浸水深によって住宅や避難への影響は大きく異なります。
さらに、自宅だけを見るのではなく、周辺道路や避難場所までの経路についても確認しておくことが大切です。
家そのものへの影響が比較的小さくても、周辺道路が深く浸水すれば、避難や移動が難しくなる可能性があるからです。
参考🔗大分市/災害時の避難場所について(指定緊急避難場所一覧)🔗
こちらの大分市HPの案内でも「おおいたマップ」の地図が活用されています。日頃からアクセスして、万が一の時にスムーズに使えるとよいですよね。
ハザード区域に入っていても、家選びの答えは一つではない
では、ハザードマップに色が付いていたら、その家は買わない方がいいのでしょうか。
これは一概には言えません。
もちろん、災害リスクをできるだけ避けたいという方が、ハザード区域を住宅選びの対象から外すのもひとつの考え方です。
一方で、希望するエリアや通勤・通学、価格、周辺環境などを考えると、一定の災害リスクが想定される地域も含めて検討したいという方もいるでしょう。
重要なのは、リスクを知らずに購入することと、どのようなリスクがあるのかを理解したうえで購入することは違うということです。
「この程度のリスクなら対策を考えたうえで住みたい」のか、「わが家ではこのリスクは避けたい」のか。
その判断は家族によって違って当然です。
色が付いていない場所にもリスクはある
もうひとつ覚えておきたいのが、ハザードマップに色が付いていないからといって、災害リスクがゼロになるわけではないということです。
ハザードマップは、一定の想定や条件に基づいて作成されています。
実際の災害では想定を超える雨が降ることもありますし、局地的な大雨や排水状況、土地の高低差などによって被害が発生することもあります。
たとえば、周囲より土地が低くなっている、道路から敷地へ雨水が流れ込みやすい、近くに水路や斜面があるなど、現地を見なければ分からないこともあります。
だからこそ、
「色があるから危険」
「色がないから安全」
という二択ではなく、
ハザードマップで災害リスクを知る → その内容を確認する → 実際の土地や周辺環境を見る
という順番で考えることが大切です。
ハザードマップは住宅選びの「答え」ではなく、納得できる家を選ぶための判断材料のひとつとして活用していきましょう。
4.地図だけでは分からない!気になる物件は「現地」まで見てみよう
ハザードマップは、住宅を購入する前にぜひ確認しておきたい情報ですが、地図だけですべての災害リスクが分かるわけではありません。
気になる物件が見つかったら、ハザードマップの情報とあわせて、実際の土地や周辺環境にも目を向けてみましょう。
普段の内見では建物の間取りや設備に目が行きがちですが、少し視点を広げることで見えてくることがあります。
道路より高い?低い?土地の高さを見てみよう
まず確認してみたいのが、敷地と道路、周辺の土地との高低差です。
たとえば、道路より敷地が低くなっている場合、大雨の際に道路から雨水が流れ込む可能性がないかを確認しておきたいところです。
反対に、道路より高い土地だからといって、それだけで水害に強いと判断できるわけでもありません。
大切なのは自宅の敷地だけを見るのではなく、周囲と比べてどのような高さにあるのかを見ることです。
道路との高低差については、別の記事(9月30日頃更新予定)でも詳しくご紹介します。
水はどこから来て、どこへ流れる?
現地では、「大雨が降ったら、この水はどこへ流れるだろう?」と考えながら周囲を見てみるのもおすすめです。
前面道路の勾配や側溝、敷地の傾斜などを見ると、水が集まりやすそうな場所が見えてくることがあります。
また、敷地内だけでなく、周囲の道路が坂になっている場合などは、少し離れたところから雨水が流れてくる可能性も考えられます。
晴れた日の内見では分かりにくい部分だからこそ、周辺の地形まで意識して確認してみましょう。
川・水路・崖・斜面は少し広い範囲までチェック
道路や側溝といった物件のすぐ隣だけでなく、少し広い範囲を見ることも大切です。
近くに川や水路はないか、背後に崖や斜面はないか、周辺は坂の上なのか下なのか。
ハザードマップと実際の地形を見比べてみることで、「なぜこの場所に色が付いているのか」が理解しやすくなることもあります。
内見が終わったらすぐに車で帰るのではなく、時間に余裕があれば周辺を少し歩いてみるのもよいでしょう。
過去に水が来たことはある?災害・浸水履歴も確認
現在のハザードマップだけでなく、その地域で過去にどのような災害が発生したのかも、家選びの参考になります。
自治体によっては過去の浸水実績などを公表している場合があります。
ただし、過去に被害がなかったからといって、将来も被害が起きないとは限りません。
「過去の実績」と「将来想定されているリスク」の両方を見ることがポイントです。
大分市については🔗おおいたマップ🔗 でも過去の水害が確認できますし、
大分県全域についても大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD)による🔗大分市の災害・被害一覧 | 大分県災害データアーカイブ🔗がウェブで公開されています。
避難場所より「そこまで行けるか」が大切
ハザードマップには避難場所なども掲載されています。
ここで確認したいのは、「避難場所が近くにあるか」だけではありません。
自宅から避難場所までの途中に、浸水しやすい道路や川、水路、崖などがないか、実際に安全に移動できそうかというところまで見ておきましょう。
小さなお子さんや高齢の方がいる家庭では、同じ距離でも避難に必要な時間は変わります。
「災害が起きたら、家族でどう動くか」まで想像してみる。
そこまで考えて初めて、ハザードマップの情報を実際の暮らしに活かすことができます。
5.気に入った家がハザード区域だったら、買わない方がいい?
価格も予算内、間取りも希望どおり、通勤や通学にも便利。
「ここに住みたい」と思える物件が見つかったのに、ハザードマップを確認したら色が付いていた――。
そんなとき、「やっぱりやめた方がいいのかな」と迷う方もいるでしょう。
もちろん、災害リスクを理由に購入を見送ることも、住宅選びとして間違いではありません。
ただ、色が付いているという理由だけで結論を出す前に、もう少し詳しく内容を確認してみましょう。
まずは「どんな災害が、どの程度想定されているか」を整理
ここまでお伝えしてきたとおり、最初に確認したいのは「ハザードマップに色が付いているかどうか」ではありません。
「何の災害が想定されていて、どの程度のリスクなのか」です。
洪水なのか、内水なのか、津波なのか、土砂災害なのか。
洪水であれば想定浸水深はどの程度なのか、土砂災害であればどの区域に指定されているのか。
まず事実を整理してから、自分たちにとって許容できるものなのかを考えていきます。
リスクがあるなら「避ける」だけでなく「備える」という選択肢も
災害リスクへの向き合い方は、「その場所に住まない」だけではありません。
想定されている災害によっては、避難場所や避難経路を事前に把握しておく、非常用品を準備する、火災保険の補償内容を検討するなど、購入後の備えを考えることもできます。
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一方で、住宅や敷地側の対策だけでは対応しにくい災害リスクもあります。
そのため、「対策できるから大丈夫」と考えるのではなく、リスクの内容と対策の限界まで理解して判断することが大切です。
家族によって【許容できるリスク】は違う
同じ物件でも、その災害リスクをどう感じるかは家族によって違います。
たとえば小さなお子さんがいる家庭、高齢の方と暮らしている家庭、車を使わない家庭などでは、災害時の避難のしやすさも変わります。
「少しでも水害リスクがある場所は避けたい」という方もいれば、「この程度の想定であれば、備えをしたうえで希望するエリアに住みたい」という方もいるでしょう。
どちらかが正解ということではありません。
住宅購入で大切なのは、そのリスクを知らずに選ぶのではなく、家族で理解し、納得して選ぶことです。
価格・立地・暮らしやすさも含めて総合的に判断しよう
家選びには、災害リスク以外にもさまざまな条件があります。
価格、間取り、通勤・通学、買い物の利便性、周辺環境など、すべての希望を100%満たす物件を見つけるのは簡単ではありません。
だからといって、災害リスクを軽く考えてよいわけでもありません。
「ハザード区域だからダメ」「便利な場所だから気にしなくていい」とどちらかに振り切るのではなく、災害リスクも住宅選びの条件のひとつとして、ほかの条件と一緒に比較することが大切です。
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最初にご紹介した「ハザードマップにかかっている場所は絶対イヤ!」というご希望についても、その条件自体を変える必要はありません。
ただ、「色が付いているから」という理由だけで判断する前に、その意味まで知っておけば、より納得できる住宅選びにつながるのではないでしょうか。
6.ハザードマップは一度見たら終わりではない
住宅購入時にハザードマップを確認して、
「この場所には色が付いていなかったから安心」
と思うかもしれません。
しかし、ここでも知っておきたいことがあります。
ハザードマップや災害に関する区域指定は、ずっと同じとは限りません。
📹ショート解説📹ハザードマップは更新される!災害レッドゾーンの追加指定リスク
購入時は区域外でも、将来変わることがある
災害リスクに関する情報は、新たな調査やデータの更新、区域指定などによって見直されることがあります。
そのため、住宅を購入した時点では区域に入っていなかった土地が、その後の見直しによって新たに区域に含まれる可能性もあります。
逆に、情報が更新されることで想定される範囲や内容が変わることもあります。
「今は色がない」だけで安心しすぎない
これは、「今ハザードマップに色が付いていない場所も危険だから心配しましょう」という意味ではありません。
大切なのは、現在のハザードマップは、現在公表されている情報に基づくものだと理解しておくことです。
住宅は何十年と住み続ける可能性のあるものです。
購入時点の情報だけを「ずっと変わらない安全性の証明」のように考えるのではなく、その時点で分かっているリスクを確認するための情報として活用しましょう。
購入後も、ときどき最新情報を確認しよう
ハザードマップは家を買うときだけ見るものではありません。
購入後も自治体の防災情報などを確認し、ハザードマップが更新されたときには、自宅や周辺の状況が変わっていないか確認しておくと安心です。
もし新たに区域に入った場合でも、必要以上に不安になるのではなく、
- 「避難場所はどこか」
- 「どのタイミングで避難するか」
- 「家族で何を準備しておくか」
など、新しい情報をこれからの備えに活かすことが大切です。
家を購入する前だけでなく、住み始めてからもハザードマップを活用していきましょう。
7.契約のときにも説明される?不動産取引とハザードマップ
ここまで読んで、「ハザードマップのことは不動産会社から説明してもらえるのでは?」と思った方もいるかもしれません。
実際、不動産取引では水害リスクについて説明するルールが設けられています。
ただし、住宅を選ぶという意味では、契約直前に初めて確認するのではなく、物件を比較・検討している段階から知っておくことが大切です。
2020年から水害リスクの説明が義務化
2020年8月から、不動産取引における重要事項説明の対象に、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地が追加されました。
対象となるのは、水防法に基づいて作成された洪水・雨水出水(内水)・高潮の水害ハザードマップです。
宅地建物取引業者は、入手可能な最新の水害ハザードマップを提示し、購入する物件のおおよその位置を示して説明することになっています。
ここで注意したいのは、重要事項説明で「ハザードマップについて説明される」ことと、「その土地の安全性を保証してもらえる」ことは同じではないという点です。
国土交通省も、対象物件が浸水想定区域に該当していないことだけをもって、「水害リスクがない」と誤解させないよう配慮することを求めています。
重要事項説明ではここを確認
説明を受けるときは、「該当しています」「該当していません」だけで終わらせず、実際のハザードマップを見ながら確認してみましょう。
物件がどこに位置しているのか、どのような水害が想定されているのか、周辺にはどのような区域があるのか。
また、ハザードマップ上に避難所が記載されている場合には、その位置についても一緒に確認しておくとよいでしょう。
分からないことがあれば、重要事項説明の際に遠慮せず質問することも大切です。
「契約時に聞けばいい」ではなく物件探しの段階から確認しよう
とはいえ、重要事項説明が行われるのは、購入する物件がほぼ決まった段階です。
そこで初めて、
「こんな水害リスクがあるとは知らなかった」
となってしまうのは避けたいところです。
だからこそ、ハザードマップは契約するときに確認するものではなく、物件を選ぶときから確認するものと考えておきましょう。
気になる物件を見つけた段階で確認しておけば、そのリスクも含めて「この家を買いたいか」を落ち着いて考えることができます。
8.2028年から住宅ローン控除にも影響。「災害レッドゾーン」って何?
これから家を購入する方には、もうひとつ知っておいていただきたい大きな変更があります。
これまでハザード情報というと、「災害に備えるための情報」というイメージが強かったかもしれません。
しかし今後は、住宅ローン控除などのお金の面でも、災害リスクの高い区域かどうかが関係してくるようになります。
2026年度税制改正で何が変わった?
2026年度(令和8年度)の税制改正では、住宅ローン減税の適用期限が5年間延長され、2030年(令和12年)12月31日までに入居した場合が対象となりました。
その一方で、災害リスクの高い地域への新築を抑制する観点から、新たな制限も設けられています。
関連する税制法は2026年3月31日に成立しており、すでに決まっている制度変更です。
2028年以降、一部の新築住宅が住宅ローン控除の対象外に
大きなポイントが、2028年(令和10年)以降に入居する場合、災害レッドゾーンにある新築住宅は住宅ローン減税の対象外になることです。
2026年・2027年に入居する場合は減税対象となりますが、2028年以降は取り扱いが変わります。
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これから土地を購入して新築住宅を建てる方や、新築住宅を探している方にとっては、土地選びの段階から確認しておきたいポイントです。
住宅ローン控除は家計への影響も大きい制度ですから、「家を建ててから知った」とならないよう注意しましょう。
住宅ローン控除に影響する「災害レッドゾーン」とは
ここでいう「災害レッドゾーン」とは、国土交通省が示している次の区域です。
-
土砂災害特別警戒区域
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地すべり防止区域
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急傾斜地崩壊危険区域
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浸水被害防止区域
-
災害危険区域のうち、一定の要件に該当する区域
これらの区域にある新築住宅について、2028年以降に入居する場合は住宅ローン減税の対象外となります。
一方、建替え・既存住宅・リフォームについては、この災害レッドゾーンを理由とする今回の対象除外には含まれていません。
要注意!ハザードマップの「赤色」と「災害レッドゾーン」は別物
ここは、特に誤解しやすいので注意が必要です。
ハザードマップ上で赤く表示されている場所が、そのまま住宅ローン控除でいう「災害レッドゾーン」になるわけではありません。
たとえば洪水ハザードマップでは、想定浸水深などによって黄色や赤などに色分けされています。
一方、住宅ローン減税でいう「災害レッドゾーン」は、先ほど挙げた法律上の区域を指しています。
つまり、
「ハザードマップで赤い場所だから、2028年から住宅ローン控除が使えない」
と判断するのは誤りです。
名称が少し紛らわしいのですが、ハザードマップの“色”と、制度上の“災害レッドゾーン”は分けて考えるようにしましょう。
9.「中古住宅だから関係ない」とも言い切れない理由
ここまで読むと、中古住宅を探している方は、
🤔「対象になるのは新築住宅なら、中古住宅を買う自分には関係ないのでは?」
と思うかもしれません。
今回の住宅ローン減税の変更だけを見れば、確かに既存住宅は災害レッドゾーンを理由とする対象除外には含まれていません。
ただし、「だから中古住宅なら災害レッドゾーンを気にしなくていい」と考えるのは少し早いかもしれません。
中古住宅をそのまま買って住む場合はどうなる?
2028年以降も、災害レッドゾーンにあるという理由だけで既存住宅が住宅ローン減税の対象外になるわけではありません。
もちろん、住宅ローン減税を利用するためには、それ以外の適用要件を満たす必要があります。
ここは新築住宅との違いを正しく理解しておきたいところです。
10年・20年後に建替える可能性も考えてみよう
中古住宅を購入するときは、どうしても「今、この家に住めるか」という視点が中心になります。
しかし、住宅を10年、20年と所有していれば、いつか建替えを検討することもあるでしょう。
なお、国土交通省が公表している現在の制度では、建替えについては今回の災害レッドゾーンによる住宅ローン減税の対象除外には含まれていません。
ただ、長期間所有する不動産だからこそ、購入時点の税制だけを見るのではなく、その土地にどのような区域指定や建築上の制限があるのかを知っておくことは大切です。
自分は建替えなくても、次の買主は建替えるかもしれない
もうひとつ考えておきたいのが、将来その家を売却するときです。
自分たちは中古住宅としてそのまま住んでいても、将来購入する人が、
「建物を解体して、新しい家を建てたい」
と考える可能性があります。
そのとき、その土地にどのような災害リスクや区域指定があるのか、新築した場合にどのような制度上の影響があるのかは、購入希望者にとって判断材料のひとつになるでしょう。
だからといって、災害レッドゾーンにある中古住宅は「資産価値が下がる」「売れなくなる」と一律に考える必要はありません。
ただ、将来の買い手がどのような使い方をできる土地なのかという視点は、中古住宅を購入するときにも持っておきたいところです。
「今住めるか」だけでなく「将来どう使えるか」という視点を
マイホームは、購入した時点だけで完結するものではありません。
そのまま長く住み続けるかもしれませんし、リフォームする、建替える、家族に引き継ぐ、将来売却するといった可能性もあります。
だからこそ中古住宅を選ぶときも、
「今、この家に住みたいか」
だけではなく、
「この土地・建物を将来どう使えるのか」
という視点を少し持っておくことをおすすめします。
ハザード情報は、災害への備えだけではなく、長い目で住宅を選ぶための判断材料のひとつになってきています。
10.ハザードリスクが分かったら「購入後の備え」まで考えよう
ハザードマップを確認して災害リスクがあることが分かったら、「買う・買わない」を考えるだけでなく、もしここに住むなら、どんな備えができるだろう? というところまで考えてみましょう。
災害そのものを防ぐことはできなくても、事前に知っているからこそ準備できることがあります。
避難場所と避難ルートを家族で共有
まず確認しておきたいのが、災害が起きたときにどこへ避難するのかです。
ハザードマップで避難場所を確認するだけでなく、実際に自宅からどの道を通って向かうのかまで家族で共有しておきましょう。
できれば避難ルートは一つだけではなく、通行できない場合を考えて複数確認しておくと安心です。
また、災害が発生してから避難を始めるのでは遅い場合もあります。
自治体から発信される防災情報をどこで確認するのか、どのタイミングで避難するのかなども、家族で話し合っておきましょう。
水害に備えて家でできること
水害が想定されている地域であれば、日頃からできる備えもあります。
非常食や飲料水、懐中電灯、モバイルバッテリーなどの防災用品を準備しておくことはもちろん、浸水が想定される場合には、大切なものをできるだけ高い場所に保管しておくといった工夫も考えられます。
また、台風や大雨が予想されるときには、屋外に置いているものを室内へ移動する、側溝や排水口の周囲を確認するといった事前の準備も大切です。
住宅を購入するときには、「この家にはどんなリスクがある?」だけでなく、「そのリスクに対して、自分たちにできることはある?」という視点も持ってみましょう。
火災保険の「水災補償」も確認しておこう
水害への備えとして、火災保険の補償内容も確認しておきたいポイントです。
「火災保険」という名前から火事だけを補償するものと思われがちですが、契約内容によっては洪水などによる損害を補償する「水災補償」を付けることができます。
ただし、どのような水害でも必ず補償されるわけではなく、補償される範囲や条件は契約内容によって異なります。
住宅を購入するときは保険料だけで比較するのではなく、その家の立地や災害リスクに合った補償になっているかも確認しておきましょう。
火災保険・地震保険については、別の記事でも詳しくご紹介しています。
ハザードマップは「見るもの」ではなく【備えるために使うもの】
ハザードマップを見て、
「うちは色が付いている」
「ここは色が付いていない」
と確認するだけでは、せっかくの情報を十分に活かせているとはいえません。
どのような災害が想定されているのかを知り、そのとき自分たちはどう行動するのか、どんな準備をしておくのかまで考える。
ハザードマップは、確認して終わりではなく、家族の備えにつなげるために使うものです。
購入前の家選びにも、購入後の暮らしにも活用していきましょう。
11.家を買う前にこれだけは確認!ハザードマップチェックリスト
ここまでご紹介した内容を、住宅購入前に確認しておきたいポイントとしてまとめます。
気になる物件が見つかったら、次の項目を一つずつ確認してみましょう。
「色」だけで判断していない?
-
洪水・内水・土砂災害・津波など、複数の災害リスクを確認した
-
色の有無だけでなく「何の災害が、どの程度想定されているか」まで確認した
-
洪水の場合は想定浸水深まで確認した
-
国のハザードマップだけでなく、自治体の最新情報も確認した
現地まで確認した?
-
敷地と道路・周辺との高低差を確認した
-
川・水路・崖・斜面など周辺環境を確認した
-
道路や側溝、雨水の流れを確認した
-
過去の災害・浸水履歴について確認できる情報を調べた
-
避難場所だけでなく、そこまでの避難ルートも確認した
家族でリスクについて話した?
-
災害時にどこへ避難するか考えた
-
小さな子どもや高齢者など、家族構成を踏まえて避難できるか考えた
-
この物件の災害リスクを家族がどこまで許容できるか話し合った
将来の建替え・売却まで考えた?
-
災害に関する区域指定を確認した
-
将来建替える場合への影響も考えた
-
将来売却するとき、次の購入者がどのように利用する可能性があるかも考えた
万が一への備えまで考えた?
-
非常用品など、購入後に必要な防災対策を考えた
-
火災保険の水災補償など、立地に合った補償を検討した
-
ハザードマップを購入後も定期的に確認することを家族で共有した
すべての災害リスクをゼロにすることは難しいかもしれません。
だからこそ、「知らなかった」状態で購入するのではなく、「知ったうえで選んだ」と思えるところまで確認することが大切です。
12.まとめ|ハザードマップは「物件を落とすため」ではなく「納得して選ぶため」に
住宅を探していると、
😨「ハザードマップに色が付いているから、この物件はやめよう」
と思うことがあるかもしれません。
もちろん、災害リスクをできるだけ避けたいという考え方も、住宅選びの大切な条件のひとつです。
ただ、この記事でお伝えしてきたように、「色が付いている=危険」「色が付いていない=安全」と単純に分けられるものではありません。
大切なのは「危険か安全か」の二択にしないこと
まずは、どのような災害が、どの程度想定されている場所なのかを知ること。
そして、そのリスクを自分たち家族がどこまで許容できるのかを考えること。
「このリスクなら備えながら暮らしていこう」と考える家庭もあれば、「わが家では避けたい」と考える家庭もあります。
どちらが正解ということではありません。
ハザードマップ+現地+最新情報で判断しよう
家を選ぶときは、ハザードマップだけで判断するのではなく、
ハザードマップで調べる
→ 自治体の最新情報を確認する
→ 実際に現地を見る
→ 家族で話し合う
というところまで進めてみましょう。
地図では分からなかった土地の高低差や周辺環境が見えてくることもありますし、反対に現地を見ただけでは気付けなかった災害リスクをハザードマップから知ることもできます。
知ったうえで選ぶことが、後悔しない家選びにつながる
最初にご紹介した、
「ハザードマップにかかっている場所は絶対イヤ!」
というお客様の声も、決して間違った考え方ではありません。
ただ、そこで候補をすべて外してしまう前に、
「どんな災害リスクがあるんだろう?」
「実際の土地はどうなっているんだろう?」
「自分たちなら、このリスクをどう考えるだろう?」
と、もう一歩だけ詳しく確認してみてください。
ハザードマップは、物件を落とすための地図ではなく、自分たちが納得できる家を選ぶための判断材料です。
気になる物件があるものの、ハザードマップの見方が分からない、どこまで気にして物件を選べばよいのか迷っているという方は、ご自身だけで判断する必要はありません。
ハウスドゥ大分明野店では、物件そのものだけでなく、周辺環境やハザード情報なども一緒に確認しながら、お客様の希望に合った住まい探しをお手伝いしています。
「この物件、ハザードマップにかかっているけど実際どうなんだろう?」
そんな段階でも大丈夫です。
気になる物件が見つかったら、まずはお気軽にご相談ください。一緒に情報を整理しながら、納得できる家選びを進めていきましょう。
はじめての方もご安心ください。経験豊富なスタッフが、
物件探しのノウハウや資金計画まで丁寧にアドバイスさせていただきます!

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定休日:水曜日、年末年始
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